2014年10月7日火曜日

平成26年度近畿ブロック「ファッション教育研修会」が開催されました。

実施日:平成26年10月4日(土)13:20~16:40
場 所:大阪文化服装学院 Tel:06-6392-4371 Fax:06-6391-5600
研修プログラム:
13:20~13:30挨 拶日本ファッション教育振興協会 大阪支部
支部長 野中一男 氏
13:30~15:00講演(1)「バリュープランニングが目指すOnly1.No1.First1戦略」
講師:株式会社バリュープランニング
代表取締役社長 井元憲生 氏
15:10~16:40講演(2)「パターンメーキング技術教育の指導法と課題」
講師:特定非営利法人関西ファッションカレッジコンソーシアム
理事長 野中一男 氏
講演(1):2014年6月9日に、創業20周年を迎えた株式会社バリュープランニングの創業から20年間の成長、今後の展開について井元社長より詳しい説明を受けた。

バリュープランニングは、従来のデザイン重視のアパレル業界には存在しない、新たな価値を持つ商品を世の中に送り出そうと、パンツに特化した機能性重視のアパレルとして創業し、1999年にはヘルシー&ビューティーをコンセプトとする、360°ストレッチの美脚パンツ「ビースリー・魔法のパンツ」を発売。機能と品質にこだわり、糸からオリジナルで開発を手掛けるこのパンツは、多くの女性からの支持を得て、現在全国に230店舗以上を展開。海外にも出店するなど、成長を続けている。

創業から20年が経ち、世の中は低価格で流行をスピーディーに商品に反映させる、ファストファッション隆盛の時代を迎えているが、バリュープランニングは変わることなく、今まで以上にお客様への「心の満足=喜び」を提供し続けていく事を使命としている。この使命の実現に向け、20周年の節目に特別プロジェクトとして、機能性と品質を究める『新・美脚研究所』と、日本のおもてなしノウハウを極める『おもてなし研究所』を開設し、人間工学を取り入れた今までに無い商品を開発し、心を込めたおもてなしで提供する究極のストレッチパンツ専門ブランドを目指す。

パンツ道を極め、世界のリーディングカンパニーを目指すバリュープランニングにとって、このものづくりとおもてなしを極めたビジネスモデルは、世界でも評価される新たなアパレルの存在価値になる。

 

講演(2):2013年度後期と2014年度前期施行施行の各種検定試験に関する標準解答の配布と解説を行い、特に2014年度パターンメーキング技術検定1・2・3級の技術内容について詳しく解説した。

シーチングの組立技術とパターンメーキングのポイントを各級のレベルごとに説明したが、特に今年度の実技試験会場で撮影した写真を活用した解説は大いに参考となった。PM3級実技課題では、シルエットがストレートやバルーン型になってしまった例等について、身頃パターンの形状とタック処理について、タックのシーチング組立に関する注意点、袖山の高さやいせ分量が適正でないために起こる袖付け不良、前立てやスタンドカラースタンドカラーのシーチング組立に関する注意点などを解説した。

 PM2級実技試験では、2級として求められる技術レベルに関して、パターンメーキングとシーチング組立技術関連の解説を行った。パネルラインの形状、2枚袖、ショールカラーのパターンとシーチング組立について実技会場の写真を使用して解説し、2級レベルの技術内容を確認した。

PM1級実技試験に関して、昨年度12月実施の東京会場、今年度8月の東京会場、9月の大阪会場それぞれで出題された課題と採点のポイント、参加者人数、合格者数などの解説を行い、今年度大阪会場で撮影したシーチング写真を見ながら、1級実技で要求される技術レベルと完成度について解説を行った結果、1級合格不合格のポイントがようやく理解できたとの感想をいただくことができた。

採点終了直後に廃棄処分になり、ネット等で公表することのできない貴重なシーチングの写真を見て解説を受けることで納得できたものと思われる。 最後に、アパレル企業におけるパターンメーカーの仕事内容が変化し、実物のパターンを引き、シーチングを組み立てる機会がほとんど無くなり、多くの業務がCADだけで完結している現状で、今後のファッション専門学校が行うべき教育内容の方向性について解説した。